Branding
なぜ&Shiftはリブランディングしたのか?
2026年4月、&Shiftはリブランディングを行いました。
Visionを見直し、ブランドコンセプトやサービスを再設計し、VIや言葉、Webサイトを含めてブランドの世界観を再編集しました。
リブランディングと聞くと、ロゴやデザインといった視覚表現の刷新、価値の見直しやポジショニングの再設計を思い浮かべる方も多いかもしれません。もちろん、今回のリブランディングでも、それらを見直しました。
だけど、私たちが本当に見つめ直したかったのは、さらにその奥にあるもの。
それは、私自身の価値観であり、&Shiftがこれからどんな世界との関わり方を大切にしていきたいか、ということでした。
今日は、そのことについて書いてみようと思います。
&Shiftが大切にしてきたこと
2020年に&Shiftを立ち上げた当初、ブランド戦略やデザインだけではなく、組織づくりやブランドの社内浸透にも強い関心を持っていました。ブランドは、日々の経営や組織文化、一人ひとりの行動の中で育まれていくものと考えていたからです。
もちろん、その考えは今も変わっていませんし、当時の&Shiftにも自分にとっても必要な方向性でした。実際にインナーブランディングを通して、企業や社員の方たちが変化していく姿を近くで見守ることは、大きな喜びとやりがいにつながっていました。
一方で、仕事を続けるなか、少しずつモヤモヤした違和感が生まれるようになってきました。
少しずつ生まれた違和感
目の前の事業やブランドを、もっと良いものにしたい。
関わる人たちの想いや価値を、深くかたちにしたい。
そのために、自分自身も学び続け、成長していきたい。
そんな思いで、一つひとつのプロジェクトと向き合ってきましが、同時にどこか息苦しさも感じるようになっていました。
立ち上げ当時に描いた事業戦略を守ること。
より良い答えを探し続けること。
前へ進み続けること。
いつの間にか、「考えること」が中心になり、自分の感覚や心の声よりも、正解を探すことを優先していたように思います。クライアントにも喜んでもらい成果も出ている、会社としての利益も上がっている、だけどいつも心に引っかかっているこの違和感…。
そんな日々を過ごすなか、人生は私に思いがけず立ち止まる時間を与えました。
仕事との向き合い方を見つめ直す時間。
大切な人との命を見つめる時間。
人生そのものを見つめ直す時間。
思ってみれば、ずっと走り続けていた人生。
だからこそ、この時間には大きな意味があり、分岐点となりました。
立ち止まるからこそ見えてくる景色がありました。
そして、問い直すべきことは、
「自分は、本当は何に心から喜びを感じるのだろう」
ということでした。
心の喜びを見つめ直す
その問いを、一人で導き出すのはなかなか難しいものでした。
ブランディングの仕事をしていても、自社のこと、とりわけ自分自身に対しては、良くも悪くも無意識にバイアスがかかってしまうものです。
そこで、これまで事業を影で支えてくれていた雨宮祐介にも正式に&Shiftへ加わってもらい、数ヶ月にわたりディスカッションを重ねました。戦略的に考える前に、とことん「心が喜ぶこと」に意識を向け、感覚をひらき、「心の声」を丁寧に汲み取っていくプロセスでした。
&Shiftというブランドを整理すると同時に、何より整理されていったのは私自身の本来の心の声でした。それらを見つめることで改めて浮かび上がってきたことがありました。
「人生のなかで関わり合う大切な人たちと、情熱や想いを共有し、理解しながら、目指したい未来を一緒に創造していくこと。そういう時間と関係性を醸成していくこと。」
振り返ると、それは昔から自分の中にあった価値観であり、原点のようなものでした。
本当に大事にしたかったのは、導くことではなく、一緒に未来を創造し、育んでいける関係性でした。
そうした時間の中で育まれる人間関係に、私は尊さやかけがえのなさを感じてきました。
ブランディングという仕事を通して、私たちが本当に育んでいきたかったのは、ブランドだけではありませんでした。
場を育むこと。
時間を育むこと。
関係性を育むこと。
そうしたブランドの体験価値を、
「ともに、未来を創造する時間。」
というブランドストーリーとして綴りました。
ブランドとは、世界観が育まれていくこと
また、&Shiftの在り方を問い続けることで、少しずつ見えてきたのが「世界観」という考え方でした。
私たちが考える世界観とは、単に印象やイメージのことではありません。
「自分たちらしい世界との関わり方」です。
世界をどう見つめるのか。
誰とどんな関係性を育みたいのか。
どんな未来を信じるのか。
世界観は、その価値観や美意識を映し出す、自分たちらしい在り方そのものと考えています。
ブランドとは、世界観が日々の選択や行動に自然と映し出されていく状態です。
それは、一人でつくるものではなく、人との関わりの中で少しずつ育まれていくものと考えています。
目指す景色
そして、その先に生まれたのが、新しいVisionです。
&Shiftが考える美しさとは、「本来性」です。
他と比べて優れていることではなく、自分たちらしく在れること。
本来性に気づき、自分たちらしい世界観を育みながら、未来をひらいていく。
その瞬間が、一つ、また一つと生まれていく。
やがて、その積み重なりが、温度のある世界へとつながっていく。
私たちが目指したいのは、そんな景色でした。
自分たちらしい世界との関わり方へ
今回のリブランディングは、私たち自身が「自分たちらしい世界との関わり方」を見つめ直す大切な時間でした。
その結果として、Visionが生まれ、ブランドストーリーが生まれ、事業の在り方も、デザインも、今の自分たちらしいかたちへ変わっていきました。
おわりに
リブランディングを通して、ようやく自分たちらしいスタートラインに立てたような気がしています。
ブランドも、人も、一度完成して終わるものではありません。
対話を重ね、迷い、立ち止まり、また歩き出す。
その繰り返しの中で、少しずつ育まれていくものなのだと思います。
これからCoffee Breakでは、ブランディングのことだけではなく、デザイン、旅、文化、日々の暮らしの中で見つけた小さな気づきなども綴っていきたいと思います。
この場所が、「世界との関わり方」を皆さんと一緒に考えていく、小さなきっかけになれば嬉しく思います。
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