Essay
安心があるから、未来を語れる。
先日、いつも利用しているお店にタコライスを買いに行きました。
このお店は通いはじめて、かれこれもう10年近くになります。
いつもの場所に、いつものスタッフの方がいて、いつもと変わらない接客で迎えてくれる。
ちょっとしたやり取りのあるその時間は、私に心地よさをくれます。
料理のおいしさはもちろんですが、心に残るのは、そこに流れている「変わらなさ」。
変わらない場所があること。
変わらない人がいること。
変わらない空気が流れていること。
それだけで、人は思っている以上に安心できるのかもしれません。
みなさんにも、「ここへ来ると、なんだか安心する。」
そんな場所はありますか?
変わり続ける時代の中で
今はものやサービスが溢れ、新しい何かが生まれては、短期間で入れ替わっていく時代。
新しさや変化には、人の心を動かす力があります。
一方で、変化が続くからこそ、変わらないものへの価値も強く感じるようになりました。
いつ行っても、同じように迎えてくれる場所。
久しぶりに会っても、変わらない距離感で話せる人。
自分が迷ったときに、安心して戻ることのできる関係性。
そうしたものは、目新しさとは違うかたちで、人の心を支えてくれます。
私たちは、新しい価値をつくることに目を向けがちです。
けれど、「変わらず大切にしたいもの」を、どれだけ見つめられているでしょうか。
失ってから見えてきたもの
私自身、これまでの人生の中で、変わらないと思っていたものをいくつも失ってきました。
幼少期を過ごした実家。
大切な記憶が積み重なった家。
そして、心のよりどころとなっていた存在。
そうしたものが少しずつ失われていく中で、どれほど「変わらない安心感」に支えられていたのかに気づかされました。
だからこそ、日常の中にある小さな「変わらなさ」に心が動くのだと思います。
いつものお店。
いつもの笑顔。
いつもの味。
それらは、失ったものの代わりにはなりません。
けれど、「今日もここにある」という事実が、今の自分を支えてくれることがあります。
安心できる関係性
最近、&Shiftとして、「心から応援し合える関係性」について、改めて考えています。
それは、ただ励ますことでも、相手を前へ進ませることでもなく、
「あなたを信じている」
という感覚を、お互いの間に持てること。
そのためには、まず安心できることが必要です。
安心できるから、本音を話せる。
本音を話せるから、互いを理解し合える。
そして、理解し合えるからこそ、一人では描けなかった未来を、誰かと一緒に創造していけるのだと思います。
安心があるから、未来を語れる
&Shiftのブランドストーリーは、
「ともに、未来を創造する時間。」
この言葉だけを見ると、新しい未来へ進むことや、新しい価値を生み出すことを表しているように見えるかもしれません。
でも、その土台にあるのは安心して話せる関係性です。
ブランドストーリーの一節には、こんな言葉があります。
“安心感のある温かい雰囲気は、
徐々に思考をひらいてくれる。
リラックスしながらも、
本質的な議論を重ねていく。”
未来は、いきなり創造できるものではありません。
まず、安心して話せること。
考えがまとまっていなくても、違和感や迷いを言葉にできること。
そうした時間があるからこそ、本当に大切にしたいことが少しずつ見えてきます。
安心があるから、未来を語れる。
未来を語れるから、ともに創造できる。
新しい景色と、立ち帰ることのできる場所
ブランドには、人や組織が未来へ進む力があります。
新しい価値をつくり、新しい人と出会い、これまでになかった景色をひらいていく。
同時に、ブランドには、安心して立ち帰れる場所としての役割もあります。
変わり続ける中にも、変わらず大切にされるものがある。
迷ったときに立ち帰ることのできる価値観がある。
誰かと再びつながれる場所がある。
その安心があるからこそ、人は新しい一歩を踏み出せるのではないでしょうか。
おわりに
未来を創造することと、安心して立ち帰れる関係性を育むこと。
この二つは、別々のものではありません。
安心して立ち帰れる関係性があるからこそ、人は未来へ向かうことができる。
ブランドもまた、同じです。
&Shiftは、そのような関係性を育む存在でありたいと思っています。
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